偈(げ)を紹介したいと思います。
“Aniccā vata saṅkhārā, uppāda vaya dhammino;
Uppajjitvā nirujjhanti, tesaṃ vūpasamo sukho”
「生じて滅する性質を持つ 諸行は無常である
生じては滅するそれらから、〔こころを〕静めるのが安楽である」
How inconstant are compounded things!
Their nature: to arise & pass away.
They disband as they are arising.
Their total stilling is bliss.
この偈は、「アニッチャー ガーター」といい日本語では「無常偈」として知られています。
「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅爲樂」というのを見たことはないでしょうか?
「無常」=すべての現象の性質(法則)にある「変化する」ということ。「生まれては消える」ということ。
また違う表現をすると「生まれるということは、死ぬという現象とセットである」、「生まれたなら死がある」ということ。
この性質が、すべての現象にあるとお釈迦様はおっしゃっておられます。例外はないようです。
それは時間的な制限も受けず、絶えず、止むことなく、常に変化が起こっているのです。
これを止めようとすることは、果たして可能でしょうか?
現象は無常(変化する)という性質で成り立っているので、それを止めることは愚かなようです。
その性質を発見し、ムダな抵抗を止め、気楽に落ち着いているのがいいのではないでしょうか?
この偈はお釈迦さまの発見され教えられたエッセンスが凝縮されているようです。
またお釈迦さまのスゴイところは、その発見するための方法もきちんと教えてくださるところです。
なかなか簡単には理解できないかもしれません。
ぜひ、身の回り(ココロとカラダ)のあらゆる出来事を観察してみてください。
また、この偈はテーラワーダ仏教の国々ではお葬式に唱えたりされるようです。
前回の記事の「箭経」というお経もセットのようです。一度、目と耳を通してみてください。
「無常偈」も"Maha parinibbana sutta"というお経の途中に出てきますので、聞いてみて下さい。
Etena sacca vajjena pātu tvaṃ ratanattayaṃ.
Mayadevi office