みなさま
失礼いたします。
昨日の関西ダンマサークル「zoom茶話会」は11名の方が参加されました。物語を読んで、皆さんの解釈・意見・理解を述べて、いろいろと話をしました。こんな感じの話し合いもありかと思いました。面白かったです。次回の茶話会は、どうなるかわかりませんが。
簡単ではありますが、個人的な解釈と感想のレポートです。よければ読んでみてください。また感想などあれば、どんなことでも構いませんので教えてください。反論・異論でも結構です。
▼4/8(土)茶話会で読んだ物語
注意:物語は事実なのか分かりませんが、物語が教える内容・意味から、私たちが何を学び取れるかという立場で読みました。
①「黒夜叉女の物語」
・ダンマパダ 第5偈の因縁譚
・黒夜叉女:Kāḷī yakkhinī
・夜叉は、餓鬼ではなく天界の次元
・この物語の黒夜叉女は、「鬼子母神(訶梨帝母)」と結びついているという説があります。
・物語では、黒夜叉女は預流果に悟ってから女友達(人々)のお供え生き、その代わりに天候について人々にアドバイスし、以来豊作・五穀豊穣の神として現在にも信仰されているとか。
・世の中には、怨みを止める方法がない。
・怨みを抱いてしまったら、怨み返すしかでない。
・怨みを止める方法を真理を知り尽くしたブッダが教える
・この物語の教訓は、怨みを繰り返さないこと、怨みは怨みを捨てることで収まるということ
・怨みが自分にとって苦しみであることを自覚する
・気づくことで怨みを捨てられる
・参考(英文):Eugen Watson Burlingame「Buddhist Legends」vol.1~3
https://www.ancient-buddhist-texts.net/English-Texts/Buddhist-Legends/01-04.htm
・参考(読み物):『ダンマパダ』と教育(2)【吉田 榮作】
https://otemae.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=79&file_id=22&file_no=1
・参考(動画):「怨みの輪廻が果てるまで」ダンマパダ(法句経)5偈|スマナサーラ長老のパーリ経典解説
②「小ダンマパーラ前世物語」
・ジャータカ物語 358番(Culla dhamma pāla jātaka)
・ダンマパーラ王子の話
https://j-theravada.com/jataka/jataka003/
・登場人物によって、役柄が決まっている
・王は悪、処刑人は無知、妃は慈悲、ダンマパーラ王子(7か月の赤ちゃん)は忍耐
・悪を行えば、更なる悪を犯してしまう。止まらない
・無知であれば、自分の行為について善悪判断できず、他人に言われたま行動する
・無知な人は流され、苦しむ結果になる
・自分で何をしているか理解していない
・生きるためには慈悲をが必要
・仏教は忍耐を説く
・忍耐するとは、常に気づきあること
・忍耐とは、生半可なものではないと知る
・悪や無知を止めるためには友が必要
・この物語の教訓は、悪と無知は恐ろしい、慚愧がないことは怖い。
※参考(英文):The Jataka, Vol. III: No. 358.: Culladhammapāla-Jātaka.
https://www.sacred-texts.com/bud/j3/j3059.htm
③「物音前世物語」
・ジャータカ物語 322番(Daddabha jātaka)
・ダダーン!物語
https://j-theravada.com/jataka/jataka061/
・音を聞いてウサギが「大地が壊れる」と勘違いする
・早合点、早とちり、早のみこみ、よく確かめないこと、予断など
・それを見た他の動物たちも、ウサギの言葉を信じてしまう
・智慧のあるライオンが「本当に大地が壊れるということがあるのか?」と理性を働かせる
・理性によって、原因を確かめる
・原因を確かめると、椰子の実が落ちた音を聞いて、自分の妄想で勘違いしたことを知る
・皆に事実を教えて、皆が落ち着く
・何事も事実を確かめて行わなければ、結果が良くない。大きな苦しみを作ってしまう。失敗する
・現代では、詐欺に引っかかること、カルト宗教に引っかかること、私は悟りましたという人に騙されないこと、陰謀論を信じてしまうことなど
・人の話を鵜呑みにしないこと、立場や見方によって事実はそれぞれ異なること
・自分の見方もひとつの偏見だと知ること(自分も疑う)
・この物語の教訓は、事実を確かめること、情報に対して早合点しないこと
・もう一つの教訓は、外の刺激(情報)に対して、私たちは捏造していること。捏造を止める必要があること
・下記はジャータカにある偈文、とても理性的でカッコイイので紹介
ことばの正しい認識に到達せずして
他人の音声に随い行き
〔他人の〕叫びを第一とする愚か者
そは他人に頼るばかりの者なり
規律を守り
智慧もて〔惑いを〕鎮めて楽しみ
〔諸悪を〕制し厭離する賢者は
他人に頼るばかりの者にあらざるなり
※参考(英文):The Jataka, Vol. III: No. 322.: Daddabha-Jātaka.
https://www.sacred-texts.com/bud/j3/j3023.htm
※参考(動画):Follow the Leader | Daddabha Jataka | Animated Buddhist Stories https://youtu.be/gj3J31ThWlk
以上
生きとし生けるものが幸せでありますように